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2024/01/16号
地域で長く続く会社の共通点
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       2024/1/15



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いつもブロックスメルマガをご愛読いただきありがとうございます。

あっという間に、1月も半分過ぎてしまいました。本当に早いです。この春までに我が家では、受験×1、卒業×3、入学×2、入社×1があります。ドキドキとワクワクと入り混じるこの3ヶ月。その時々をかみしめながら過ごしたいと思います。



(メルマガ編集長 與田麻由子)



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(1)コラム「いい会社、いい仕事」

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地域で長く続く会社の共通点



 栄枯盛衰と言いますが、これだけ世の中が変化していると、一時的に流行っていたお店がしばらくするとなくなっていたり、昔住んでいた町に久しぶりに行くと、古い店がなくなり、全国チェーン店ばかりが目立つ町になっていたり、栄枯盛衰を実感することがあります。



 ただ、そんな変化が激しい世の中でも、地域の中には、創業何十年と、長く続いている企業があります。同じ変化の風を受けながらも地域の中で長く続く。こうした企業は何が違っているのでしょうか。

 そもそも、長く続くには、顧客や地域からの信頼がなければ続く訳がありません。時代に左右されるようなものではなく、クオリティの高い、「本物」の商品やサービスを提供し続けられるかどうか。先日、埼玉県にある創業70年続く会社を訪問させていただいたのですが、やはり商品へのこだわりは並外れたものでした。「現状に胡坐をかくな」、「常により良いものを生み出そう」。そんな姿勢があるからこそ、高品質が維持され顧客から支持される。社会に良いものを提供していくことが自分達の使命であるという強い思いがありました。

 ただ、そうした高い品質を生み出すのは、経営者だけで難しい。そこに共感する社員がいてこそ実現します。社員のことを考え、経営者が「適当でよい」「現状でよい」というような甘い基準でいれば、働く人も楽なのかもしれませんが、それでは顧客からの信頼は生まれません。しかし、そうかといって、ただ厳しいだけの会社では人は定着しない。厳しさの中で「人へ優しさ」がなければ長く続いていかないのではないでしょうか。

長く続く会社のもうひとつの共通点は、社員を人として大切にする「大家族主義」の想いです。別の地域ですが、先ほどの企業と同じく、創業から70年以上続く会社を訪問させていだきました。この会社にも社員を家族のように大切にする風土がありました。単なる労働力として扱うのではなく、「社員は大事な家族である」「大切な仲間である」。経営者が社員を人として大切にする姿勢があるからこそ、社員も頑張って働ける。両社には共通の風土がありました。

 もちろん、そうした会社でも、家庭の事情でやめていく人もいます。だた、辞めていった人が「あの会社は人を大切にしない」と噂をするようでは、その企業から人が離れていくはず。辞めた人も働いている人も自分の家族に「あの会社はいい会社だ」と口にされているからこそ、狭い地域の中でも採用に困らず、人が集まってくるのだろうと思います。



 地域の中で企業が長く続くには、やはり商品へのこだわりと働く人を大切にする経営者の想いがどうしても必要なのかもしれません。この10年くらいでCSやESという言葉が流行っていますが、老舗企業は昔からわかっておられる当たり前のことなのかもしれません。いいものを作ろう。社員を大切にしよう。経営者にその姿勢があるからこそ、働く人の誇りが生まれ、地域の人も共感する。「この会社は地域の誇りだ」と思われるようになるのは、並大抵の努力ではないと思いますが、栄枯盛衰の世の中で長く続いていくには、やはり、このぶれない理念が不可欠なのかもしれません。



(株式会社ブロックス 代表 西川敬一)



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(2)地域で成長し続ける企業の事例

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「伊那食品工業」(長野県)

長野県の伊那食品工業は、地元の人たちが「伊那食品さん」と親しみを込めて呼び、地域から尊敬される会社のひとつです。創業者の塚越氏は、会社という存在そのものが地域の人に迷惑をかけているからと、会社の敷地につくったガーデンを地域の人に無料で開放されています。社員の人たちも、地域の人たちに迷惑をかけないようにと、出勤時に車を右折して会社に入ると前の道路が渋滞になってしまうからと、少し遠回りになったとしても、みんなが左折で入るようにしておられます。

業績を追いかけるのではなく、社員の幸せ、関わる人の幸せを追求する経営を実践する長野県の伊那食品工業。ノルマもなく、業績目標も持たない会社でありながら、60年近く、赤字を出すことなく、毎年着実に業績を上げ続けておられます。

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「徳武産業」(香川県)

徳武産業は、介護シューズなど、高齢者に特化した靴を製造販売する会社です。最初は別事業をしていたのですが、創業者の十河孝男さんが、知り合いの特別養護老人ホームの施設長から「お年寄りがスリッパを踏んで転倒する事故が相次いでいる、何とかならないだろうか」と相談を受けたことから、靴づくりを始められました。高齢者の足は、腫れ、むくみ、方マヒなど問題がたくさんあることがわかりました。困っているお年寄りを何とかしたい。そうと思った十河さんは、一念発起し、数年間かけて高齢者が転倒しない靴を開発。それから改良を加え続け、今では介護シューズ全国シェアの55%を徳武産業が占めるまで成長する企業となりました。品質への強いこだわりと人を大切にする姿勢に、顧客からも社員からも共感が生まれています。

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編集長のひとりごと

「次男の高校のPTA本部役員をしているのですが、良くも悪くも校内の実態がわかり良かったです。その任務もあと3ケ月!」